ニュースななめ読み『選択(選択出版)』『東洋経済(東洋経済新報社)』ほか

雑誌のニュース記事を読んだ感想をつらつらと書いています。

トランプを追い込む特別検察官の秘策『ニューズウィーク』12月12日号(CCCメディアハウス)

 トランプ大統領のロシア疑惑を巡り、フリン氏が罪を認め司法取引に応じた。
ニューズウィーク』12月12日号(CCCメディアハウス)によると、この司法取引には3つのポイントがあるという。①州法レベルの罪のため恩赦の対象外となる可能性が高い、②トランプ大統領自身が司法妨害に問われる、③ペンス副大統領も苦しい立場になること だ。
 さらに、トルコ政府から身柄引き渡しを要求されているギュレン師を超法規的に「強制送還」し、大金をせしめる計画を練っていたそうだ。
 すでにフリン氏は取り調べでクシュナー氏の名前を出したとも言われ、今後さらに多くの事実が明らかになるだろう。そのとき、トランプ政権で影響を受けない人がいるのかどうか。
 就任からもうすぐ一年、まさかこんなにも政権幹部の交代が相次ぐとは…。やはり、トランプ政権は色々な意味で歴史に残りそうだ。


ニューズウィーク』12月12日号(CCCメディアハウス)

サウジ皇太子を甘やかす「米中露」『選択』12月号(選択出版)

 カタール断交やレバノン政治への介入、王族粛正など、外交でも内政でも強引な手段に出るサウジアラビアムハンマド皇太子。中東関係者からは「危なっかしい」やら「暴走状態」やら散々な評価のようだ。
 しかし、『選択』12月号(選択出版)によると、彼を熱烈に支持する存在があるという。しかも、それが中国の習主席、ロシアのプーチン大統領、アメリカのトランプ大統領だと。
 自分の年齢の倍ほどの大物に気に入られてるのには、各人物の政策を真似ている部分が大きいそうだ。そのうえ、見習っているのは習主席やプーチン大統領など、独裁的な人物ばかり。サウジの今後について容易に想像できる。
 国内での権力強化を進め、国際社会においても非常に大きな影響力を持つ、いわばトップスリーとも言える人物たちばかりを後ろ盾にする。「爺殺し」ムハンマド皇太子の暴走はまだまだ続きそうだ。

『選択』12月号(選択出版)

英雄から独裁者へ ムガベの37年『ニューズウィーク』11月28日号(CCCメディアハウス)

ニューズウィーク』11月28日号(CCCメディアハウス)は、タイトルになっている「北朝鮮の歴史」をはじめ、ジンバブエやロシア、カンボジアなど、実質的に独裁体制にある国に関する特集が多かった。
北朝鮮の詳細な歴史や、周辺国からロシアへの思いも面白かったが、特にジンバブエの記事が印象に残った。
ジンバブエというと、ハイパーインフレのせいで、100兆ジンバブエ・ドル紙幣が
発行されたという話があったように思う。それだけ高額の紙幣を発行しても、額面ではなく総量で取引するから何の意味も無いという話だったかと。
関係の無い立場から見れば、ムガベ大統領に問題があるからだろうとしか考えておらず、独裁体制が崩れないことが不思議で仕方が無かった。『ニューズウィーク』11月28日号(CCCメディアハウス)を読み、わずかながらその理由がわかったように思う。結局、ジンバブエにとっては白人の支配から独立を勝ち取った英雄だと言うことが非常に重要だったということだ。
ジンバブエでは、ムガベ大統領が権力を移譲しようとした妻の評判が悪く失脚となった。アフリカで独立が相次いだのは60年頃で、すでに半世紀が過ぎている。
それでも「独立」の英雄は強かった。独裁体制に関して、その理由をもう一度考える必要があるのかもしれない。

ニューズウィーク』11月28日号(CCCメディアハウス)

史上最多「期日前投票」何がめでたい『選択』11月号(選択出版)

 投票・選挙の結果が正当性を持つ条件は、投票・選挙を行うことへの利害関係者の合意と、選択肢に関する情報が充分に得られる環境にあるということだそうだ。しかし、今回の選挙は両方の条件を欠如しており民主主義国家としての「常識」を覆したそうだ。
 確かに、今回の選挙は解散から投票までの時間が短かったうえ、野党の状況は日々目まぐるしく変化した。解散当初は「大義なき」解散だという報道が多く、解散後は希望と立憲民主の党を巡る状況ばかりが報じられていたように思う。さらに、投票率も戦後二番目の低水準となったことを踏まえると、選挙の正当性が危ぶまれるのも仕方の無いことだろう。
 投票率期日前投票が増えているとのことだったのが、結局は悪天候もあり低いまま終わってしまった。期日前投票率だけを見れば、政治への関心は高いように思えた。ただ、『選択』11月号(選択出版)によれば、期日前投票有権者が政党や候補者を見極める時間が減ることを意味し、スウェーデンのような「後悔投票」がないため期日前投票後の選挙期間で問題が起きても変更出来ないことが問題だという。
 民主主義とは何か、選挙をしていればいいのか、考え直す必要性を感じた。
 
『選択』11月号(選択出版)
 

ニッポンの老害 相談役・顧問『ダイヤモンド』10/14号(ダイヤモンド社)

 『ダイヤモンド』10月14日号の特集は「ニッポンの老害 相談役・顧問」だった。9月16日号で掲載していた「大学序列」も偏差値の変遷から大学の特色が見えておもしろかったが、今回も具体的なデータが多く企業によって相談役・顧問の扱いがどう異なるか非常に興味深かった。
 特集によると、情報開示されず経営責任も問われない相談役・顧問が口出しすることで起きる「老害経営」の典型例が東芝の凋落だそう。高待遇に欠かせないのが「個室・秘書・社用車」の3点セットで、経歴による待遇の差が「老害」の危険度の差でもあるそうだ。
 特に「老害」になる可能性が高いのは社長・CEO経験者で経営に口を出す人物らしい。一方で、直接経営に関与しない高度な知見や専門性を持つ人物の場合は社内においても社外においても「老益」に変わるという。
 来年1月に東証が報告書内で情報開示が行われる。あくまで任意で社長・CEO経験者に限られるため、どこまで明らかになるかは不明だが、実態がわからなければ老害かどうか深く語るのは難しいように思う。

 

『ダイヤモンド』10/14号(ダイヤモンド社

共同通信「平壌支局」『選択』10月号(選択出版)

 『選択』10月号(選択出版)は選挙と北朝鮮の話が多かったが、中でも「日本のサンクチュアリ」で詳しく報道されていた共同通信平壌支局」が興味深かった。 

 北朝鮮当局の監視下に置かれていると言うことは想像通りだが、その状況が旧ソ連よりも厳しいそうで、記者は常駐しておらず、年間1億円以上かけて維持しているらしい。
 現地に拠点があることが重要だ、という意見もあるようだが、個人的にはいいように利用されているだけだという意見の方が理解できる。
 自由に取材出来ず相手の都合の良い情報だけを流すのであれば、報道機関というよりもただの広報に過ぎない。そんな広報のために、国内法に反し国際社会からの制裁の目をすり抜けて関係を結んでいるとすれば、社内外から批判されるのも当然ではないだろうか。

 閉鎖は噂に過ぎず、今後も支局は運営されるようだが、どうせなら当局が許してくれないことを取材し、日本や世界に伝えて欲しい。


共同通信平壌支局」『選択』10月号(選択出版)

インドの虚像『ニューズウィーク』9月26日号(CCCメディアハウス)

  他誌でもブータンと中国の国境を巡りインドと中国が対峙している、という話があったが、やはりインドの強気な姿勢は間違いないようだ。
 ただ、インドは経済的も軍事的にも中国に大きく離されている。過去にも触れたが、現実には中国が圧倒的に優位な状況にあるらしい。モディ首相は経済発展に力を入れているものの、あくまでも「将来有望」という段階に過ぎないという。『ニューズウィーク』9月26日号(CCCメディアハウス)では、日本企業はその恩恵にあずかれると書いているが、果たしてどこまで期待して良いものか。
 また、中国との対立に関しては、どうやら日本はインドに肩入れする方向性のよう。日中の関係性を考えれば当然の選択肢だが、インドはアメリカを信用しきっていないそうで、「反中国」で軍事的に結束できるかといえば難しいようだ。
 これまで友好的だった北朝鮮に対しても禁輸措置をとるなど、日本にとっては歓迎できる動きもあるようだが、対中国・対北朝鮮を期待するあまり、インドの大きさを読み間違えることは勘弁してもらいたい。

 

ニューズウィーク』9月26日号(CCCメディアハウス)