ニュースななめ読み『選択(選択出版)』『東洋経済(東洋経済新報社)』ほか

雑誌のニュース記事を読んだ感想をつらつらと書いています。

「国際手配」が口封じの道具に?『ニューズウィーク』1月16日号(CCCメディアハウス)

 インターポールによる「国際手配」が言論弾圧の手段として使われているようだ。『ニューズウィーク』1月16日号(CCCメディアハウス)の記事によると、一部の独裁国家では政権を批判した亡命ジャーナリストを国際手配し、移動を制限しようとしているという。具体的な国としては、アゼルバイジャンやトルコ、ウズベキスタンカザフスタンなどで、その身柄の拘束や本国への送還を狙っているそう。
 インターポール憲章では、政治的な案件には関与せず、表現の自由など基本的人権を尊重することになっている。しかし現実には、一部国家によって制度が悪用されている。
 国際的に犯罪者を手配し、追い詰めること自体は非常に意味のあることだが、手配を申請するのは各国政府だ。外部からの監視の目がなければ、政府にとって都合の悪い人間が政治的理由から亡命しても、再び危害を加えられてしまう。海外に逃げる犯罪者は捕まえるべきだが、その犯罪の内容に関する監査を厳しくし、独裁国家が報道を抑圧する事態は防いで欲しいものだ。

 

ニューズウィーク』1月16日号(CCCメディアハウス)

米軍全体が過労状態『AERA』18年1月15日号(朝日新聞出版)

 新年早々、沖縄では米軍ヘリが不時着するというニュースが続いた。昨年は、以前から危険性が指摘されていたオスプレイに限らず、米軍ヘリの不時着や部品落下などのニュースが相次いでいたし、秋頃には海軍の船の衝突事故も複数起きていた。とにかく、米軍の事故が増えたという印象があった。
『AERA』1月15日号によると、2017年に発生した米軍機の重大事故は24件、損害額は600億円近いという。さらに、過去三年間に戦闘によって死亡した米軍人は44人なのに対し、訓練中には185人も死亡しているとか。
 事故増加の原因として指摘されていたのは、米軍全体が過労状態にあることだった。オバマ政権下で国防費を削減したことで、訓練や人員が減り、整備費用も圧縮された。しかし世界情勢の緊張度は増し、例えば北朝鮮問題を巡っては出動回数が増えている。結果として、兵士や機体への負担が増し、過労状態になっているという。
 トランプ大統領武力行使をちらつかせているが、このような状況で軍事行動を起こしたがるとは…。急いで軍事費を増やした所で、訓練や人員不足はそう簡単には解消しないだろうし、武力行使に出るのは自殺行為だとしか思えない。

『AERA』18年1月15日号(朝日新聞出版)

火傷にご注意「ビットコイン」『選択』1月号(選択出版)

 去年は様々な雑誌や新聞、テレビ番組でビットコインの特集を見かけた。確実ではない、との但し書きがあっても、やはり一番多いのは何より儲かるという内容だったように思う。
 かつてマウントゴックス社が騒ぎになった時はあれだけ胡散臭いモノだという扱いだったのに、わずか数年でここまでもてはやされるようになるとは。
新しくてよくわからないものほどバブルの対象になりやすいというが、全くその通りのようだ。
 「仮想通貨」という特性上、購入しても現物はなく、データとして存在しているに過ぎない。しかも、持っているだけでは利益は生まれない。より高い価格で買い取ってくれる他人が必要になる。つまり、ネズミ講のように裾野を広げなければならない。そう考えると、これだけ特集が組まれる背景をつい考えてしまう。


『選択』1月号(選択出版)

米名門大学で広がる「極左化」『選択』1月号(選択出版)

  『選択』1月号によると、アメリカの名門大学では「反差別運動」が激しくなり、少しでも差別的だと感じた言動に対して厳しく取り締まるようになったという。
 特に衝撃的だった内容は、大学の男女カップルの誕生イベントが中止に追い込まれたということ。長年親しまれてきたイベントだそうだが、「男女」では、同性愛者やトランスジェンダーを差別しているせいだという。個人的には、ただ「男女」という言葉と性別制限をなくせば済むだけの話だと思うが、主催団体は完全に中止せざるをえない状況まで追い込まれたようだ。
 さらに、「私は、皆さんと意見が違うかもしれないが、それを語る権利があるはずだ」と言ったのは白人至上主義者で、反対派は話を聞くそぶりもなく講演を妨害したそうだ。白人至上主義を支持するかどうかは置いておいても、そういった主張そのものを激しく取り締まっているようで、立場が逆転してしまっている。
 本来、差別をなくすことは寛容さを示すことだったはず。しかし、現在では「差別をなくすこと」を全面に押し出した「逆差別」ともいうべき状況が進んでいるようだ。その行き着く先は、ただ不寛容なだけなのではないか。トランプ大統領の誕生頃から、差別に関する意識が変わり、行き過ぎた「反差別主義」が出てきているように思う。

 

『選択』1月号(選択出版)

電磁パルス攻撃の現実味は『ニューズウィーク』12月26日号(CCCメディアハウス)

 最近至る所で目にするようになった「電磁パルス攻撃」。核爆発により発生した電磁波の影響で、電子機器が使えなくなり、社会インフラが壊滅的な状態になるというものらしい。
 記事によると、このEMP攻撃でアメリカ国民の9割が1年以内に死亡する可能性があるのだとか。
 北朝鮮による核攻撃の一環として取り上げられているが、その実行力に関しては意見が分かれ、懐疑的意見も少なくない。ただ、能力的に不可能なわけではなく、むしろ命中精度が問われないため攻撃の難易度は低いそうだ。
普通の停電でも日常生活を送るには支障が出るのに、それが大規模で、かつ電子機器の機能を停止させるとすれば。どれだけの被害が出るか、想像もつかない。
 EMP攻撃を「大陸規模のタイムマシン」と呼んだ物理学者もいるそうだが、もし実現すれば本当に生活そのものが成り立たなくなる。
 同じページ内には、キューバで「音波砲」が実現したのでは、という記事も掲載されていた。昔、アニメや漫画の世界だからと思っていた兵器は、いつの間にか現実のものになっていたようだ。

 

ニューズウィーク』12月12日号(CCCメディアハウス)

仮想通貨に群がる悪意『AERA』17年12月11日号(朝日新聞出版)

 コンピューターウイルスと言えば、メールやサイトなどからウイルスが侵入し、情報を盗まれるというマルウェアというイメージが強かった。「トロイの木馬」辺りは、コンピューターウイルスに詳しく無くても知っていたし、ウイルス対策ソフトを入れ、怪しいサイトや添付ファイルは開かない、というのが鉄則だった。ただ、感染しても勝手に情報を送られているので、被害に気づくまで時間がかかった。
 記事によると、最近は「ワナクライ」のようなランサムウェアが広まっており、今年の調査では、アンケートをとった企業の内4分の1が被害にあい、さらにその6割が支払いに応じていたという。この犯罪の特徴は、パソコンを使用できなくし、本人に直接金銭を要求することだ。特に企業の場合、業務に差し支えることから支払いを選ぶようで、今後も被害は増えていきそうだ。
 ビットコインの普及で追跡が難しくなっていることも背景にあるようだが、犯罪者ほど新しい、便利な技術を導入するのが早く、規制や対策は後手に回るのだとしみじみと感じた。

 

AERA』17年12月11日号(朝日新聞出版)

トランプを追い込む特別検察官の秘策『ニューズウィーク』12月12日号(CCCメディアハウス)

 トランプ大統領のロシア疑惑を巡り、フリン氏が罪を認め司法取引に応じた。
ニューズウィーク』12月12日号(CCCメディアハウス)によると、この司法取引には3つのポイントがあるという。①州法レベルの罪のため恩赦の対象外となる可能性が高い、②トランプ大統領自身が司法妨害に問われる、③ペンス副大統領も苦しい立場になること だ。
 さらに、トルコ政府から身柄引き渡しを要求されているギュレン師を超法規的に「強制送還」し、大金をせしめる計画を練っていたそうだ。
 すでにフリン氏は取り調べでクシュナー氏の名前を出したとも言われ、今後さらに多くの事実が明らかになるだろう。そのとき、トランプ政権で影響を受けない人がいるのかどうか。
 就任からもうすぐ一年、まさかこんなにも政権幹部の交代が相次ぐとは…。やはり、トランプ政権は色々な意味で歴史に残りそうだ。


ニューズウィーク』12月12日号(CCCメディアハウス)