ニュースななめ読み『選択(選択出版)』『東洋経済(東洋経済新報社)』ほか

雑誌のニュース記事を読んだ感想をつらつらと書いています。

「イラン核合意破棄」って何だ?

 今月、トランプ米大統領がイラン核合意からの離脱を宣言した。イランが核兵器の開発を再開したわけでもなく、さらに一方で北朝鮮とは非核化交渉をしているわけで、どうも何がしたいのかがよくわからない。

 中東に積極介入して「強い米国」をアピールしたいわけでもない。選択(選択出版)5月号によると、シリアからの撤退に固執しているらしい。

 核合意を破棄して、徹底的にイランの核開発能力を殲滅するつもりだろうか。ボルトン大統領補佐官は就任前にイラン核関連施設への大規模空爆を唱えていたが、これもなかったことになった。いや、実行しなくていいのだが。そうなればやはりわからない。

ニューズウィーク日本版」5月22日号(CCCメディアハウス)によれば、考えられる理由は3つだという。

・合意内容を十分に理解していない

オバマの功績潰し

・イランの政権転覆

 このどれからしいが、こうやって並べると全部正解のようにも見える。

 ニューズウィークの記事は、「つまりトランプは、優れて効果的な核拡散防止策を破棄し、次の交渉相手である北朝鮮に不信感を抱かせ、米同盟諸国との団結に亀裂を入れ、アメリカの信用を損ない、中東地域での戦争リスクを高めた」と結ばれる。

 おそらくその通りなのだと思うが、どこかに「核合意離脱は英断」と評価している記事があれば読んでみたい。

パソナの利権「企業主導型保育園」『選択』5月号(選択出版)

『選択』5月号(選択出版)によると、竹中平蔵が企業主導型保育園事業を食い物にしているらしい。助成金も運営経費も、パソナが見事に吸い上げる設計になっているという。竹中といえば、小泉内閣による「規制緩和」に深く関わり、いまも政府の産業競争力会議に参加している。「手前の設計した制度で手前が儲ける」スタイルがあまりにも露骨といおうか、利益相反というものにならないのか不思議に思う。

 最近はほかにどんな活躍をしているのかと気になって「竹中平蔵」でグーグル検索してみると、予測タブに「暗殺」が表示された。期待のあらわれなのだろうか。確かに世が世なら、血盟団あたりに暗殺されるくらいの資格はあるだろう。斬奸状の文面も簡単に思いつきそうだ。

 そういえば、「テロ」自体は平成に入ってからも何度か発生しているが、刺客による要人の「暗殺」事件というものを、国内ではとんと耳にしなくなったと感じる。

 特定個人を標的にしたものと言えば、まず国松警察庁長官狙撃事件が思い当たるが、犯行声明文も出ておらず、「天に代わって誅殺せんとした」というような、刺客らしさがない。餃子の王将社長が殺害された事件も同様に思える。

 もっとも近いのは、昭和60年の豊田商事会長刺殺事件だろうか。犯人を賛美する訳ではないが、なにせテレビカメラの前での堂々の犯行であり、地裁判決でも動機は「義憤」であると認められたくらいなので、これは「天誅」型暗殺に数えて差支えないだろう。

 以来30年「天誅」型暗殺が絶えているのは、単に流行らないからなのか、竹中氏の身辺警備が厳重なのか。

『選択』5月号(選択出版)

 

落ちぶれ経産省「解体」のすすめ「選択」4月号(選択出版)

「記憶の限りでは、愛媛県今治市の方にお会いしたことはない」と怪しげなコメントをしていた経済産業省の柳瀬唯夫審議官だが、愛媛県庁から氏の名刺が見つかったという。どうやら忘れっぽいらしい。実際のところ、「会っていたからどうなんだ」と思うが、どうも隠さなくていいことまで嘘をついて炎上するというのがトレンドのようなので、それに従ったのだろうか。

「選択」4月号(選択出版)に、「落ちぶれ経産省「解体」のすすめ」という、なかなかセンセーショナルな題の記事が出ていた。どういうわけだかトランプ大統領から鉄鋼・アルミ追加関税対象に指定された件で、経産省の責任を追及する声が永田町であがっているらしい。当然だろう。トランプ氏の対日観が30年前で止まったままなのではとの気もするが、いずれにせよ、経産省無為無策、無能との謗りは免れまい。

 私自身の偏見だが、正直なところ経産省に好印象は抱いていない。第一、「ミティ」と自称しているのも、外資系コンサルのような連中という感があって気に食わない。とくに法律や許認可権をもっている省庁ではないためか、更にそれに加えて「経済産業政策」というキャッチ―かつ捉えどころのない分野を主管していることもあってか、「耳触りのいい理由をつけて隙あらば他の省庁から権限を奪おうと、ところ嫌わず押しかけていく奴ら」という印象がある。

「もりかけ」で類焼被害を受けているのは、当然の報いだろう。記事の後半で、経産省の内局の分割について言及されていた。通商政策局と貿易経済協力局は外務省、産業技術環境局は文科と環境に分割、商務情報政策局は総務省、製造産業局は廃止……。著者の妄想だろうが、眺めていてニヤニヤしてしまう。

 傾斜産業方式の時代でもなし、この際解体してしまった方がすっきりしてよかろう。

 

落ちぶれ経産省「解体」のすすめ「選択」4月号(選択出版)

福田次官報道事実否認について「週刊新潮」4月19日号(新潮社)

週刊新潮」4月19日号(新潮社)で女性記者へのセクハラが報じられた福田淳一外務事務次官だが、どうやら報道事実を否認して、裁判に持ち込むらしい。更迭と報じた産経は下手をうったことになるが、実際、辞めないとは思わなかった。記事内容が事実かどうかは知らないが、記事を読んだところ、これはどうもリアリティがありすぎるというのが、個人的な感想。

記者 福田さんは引責辞任はないですよね?

福田 もちろんやめないよ。だから浮気しようね。

 こんな下らないセクハラの創作、なかなかやろうとしても出来るものではあるまい。「ボイスレコーダーで都合よく録音していたのは怪しい」などという意見もあるようだが、記者が録音しているのは当たり前だろう。

 それにしても、財務省が大揺れの時期に、こんなしょうもないことで次官の首が危うくなるとは、もはや言葉が出ない。さすがに恥ずかしすぎるので「お辞めになっては」と思うのだが、報道事実否認と訴訟は、もしかすると後任人事が組めない関係での時間稼ぎなのだろうか。

 さらに加えて、セクハラ発言を受けた女性記者へ財務省が情報提供を呼びかけたのも、常軌を逸していると言わざるを得ない。もはや、何をやっているのか分かっていないのではないか。組織として、本当に末期なのだろう。

 

週刊新潮」4月19日号(新潮社)

「森友追及」大阪地検特捜部の実相「選択」4月号(選択出版)

「こんな喚問、意味ないよ」と声を荒げる日本共産党小池晃衆議院議員に、「証人喚問なんてこんなもの」、といったようなヤジが飛んでいた。是非はともかくとして、まあ「こんなもの」だろう。国会での追及には手詰まりの感があり、ここからは捜査機関の仕事となる。
 捜査を担当するのは大阪地方検察庁特捜部、というのに思わず苦笑いしてしまった。十年近く前に、厚生労働省雇用均等・児童家庭の村木厚子局長を引っ張って、証拠を捏造、大阪地検から逮捕者まで出している。公文書改竄容疑の捜査を大阪地検が執り行う、というのでは少しパンチが利き過ぎではないか。
「選択」4月号(選択出版)で、大阪地検と森友追及についての記事が掲載されていた。なんでも、もともと検察界隈には「関西地検」と呼ばれる一大勢力があり、人事権も独自の「利権」も持っていたところ、件の証拠改竄事件で没落したらしい。

 今回の森友追及は、「関西地検」がかつてのような巨大利権集団として返り咲けるかの瀬戸際なのだという。大物ヤメ検OBについても詳しく書いており、なかなか面白い。今回の森友にしても、文書の流出元が「大阪地検」という説が報じられていたが、この線で考えると非常に納得がいく。

 かなり大きな見方をすると、巨大化した中央権力への抵抗勢力として「関西」或いは「大阪」がクローズアップされている格好になっている。政権の顔色をうかがわない権力機構の存在は頼もしいが、それは同時に「地方独立王国」復活も招きかねないというあたり、やはり世の中はままならない。

 橋下徹氏は「地方の代表」として登場したまではよかったが、その後石原(当時)都知事と握手をしたことで、関西、ひいては西日本の「大阪一極集中」を狙っているとの失望を招いたと、私は見ている。

「関西検察」がたとえ復権を果たしたところで、どうせ同じような話になるのではないか。いや、絶対になるだろう。

 

「森友追及」大阪地検特捜部の実相「選択」4月号(選択出版)

「信者激減で苦しむ日蓮正宗」ダイヤモンド3月24日号(ダイヤモンド社)

 週刊ダイヤモンドで、「劣化する伝統宗教 神社・仏教大騒乱」という特集が組まれていた。例の富岡八幡宮宮司、故富岡長子氏の生前インタビューが掲載されていたが、内容自体はわりとどうでもよかった。弟の話があれば面白かったが、あるならとっくに掲載しているだろうし、当然か。

「信者激減で苦しむ日蓮正宗」という記事が、少し気になった。創価学会を破門にしてから27年、信者数は30分の1まで減少したらしい。創価が坊さんを葬式に呼ばなくなり、商売あがったりだとか。記事には登場しなかったが、「そういや顕正会は?」と興味がわいた。

 あそこは「2020年に中国が攻めてくる」「2016年は国難元年」など、きな臭いことを書いた新聞を方々に配っているので、いつか何かやるのではと思っている。

顕正会」「日蓮正宗」で検索したところ、日蓮正宗・妙通寺のホームページに、「冨士大石寺顕正会」の皆さんへ、という、これまたきな臭い記事が掲載されている。

https://www.myotsuuji.info/

 顕正会の勧誘活動は、日蓮大聖人が説かれる折伏(しゃくぶく)ではありません。

折伏とは、折伏相手の方の謗法の念慮を捨てさせ、本門戒壇の大御本尊に帰依させる行為であり、大御本尊をもたない創価学会顕正会では、どんなに励んでみても、「三大秘法の南無妙法蓮華経を弘める」こと、つまり、広布につながる折伏はできないのです。

 

「そんな物神崇拝的な教義なのか?」と驚いたが、少なくともモノを持っている日蓮正宗としては、そういうことにしているのだろう。勢力も小さいことであるし、なんだか南朝みたいだ。

 よくよく見てみるとこのホームページ、たいていの新宗教やポスト新宗教についてのコラムなどを載せていて、なかなか面白い。日蓮正宗には大石寺が発行している「諸宗破折ガイド」というものがあるようで、それを下敷きに執筆しているらしい。要は、エホバだの生長の家だのを論破するためのマニュアルである。

折伏」を重視するのは日蓮系の特徴だが、それにしても正宗は人数で創価顕正会に対して劣勢のようだ。一度、「誌上折伏対決」でもやってくれないものか。

 

 

政官界に広がる「安倍不満分子」『選択』3月号(選択出版)

 1年間グダグダと続いていた「森友問題」が、ここに来て大炎上している。政権がもつかどうか、与党内で「安倍降ろし」が盛り上がるかにかかっている。もちろん「国民に信を問え」とも言えない野党はどうでもいい。

『選択』3月号(選択出版)に、「政官界に広がる「安倍不満分子」」との記事が掲載されていた。

「二階は巧妙な手法で安倍への牽制を続ける。その際に必ず二階が使う “装置”がある。永田町用語で「二幹二国」と呼ばれる会合だ。国会開会中は必ず毎週水曜日の朝、東京・虎ノ門ホテルオークラに自民、公明両党の幹事長、国会対策委員長が一堂に会する。当面の課題について協議するためだ。この場から二階は巧みな言い回しで、安倍および安倍周辺へのジャブを放つ。」

二階は二月十七日に七十九歳の誕生日を迎えた。自民党本部の幹事長室は胡蝶蘭であふれ返った。中でもひと際大きな鉢があった。贈り主は吉田博美。二階と吉田の水面下の連携を窺わせた。

 と、「首相包囲網」とまでは言い過ぎかもしれないが、二階幹事長を中心として「不満分子」が結集しつつある構図が描かれている。

 3月6日時事通信が配信した記事では、党内からの厳しい声が掲載されていたが、二階幹事長、竹下総務会長、吉田参院幹事長と、まさに選択の記事に登場した面々で、思わず「なるほど」と声がでた。

www.jiji.com

 はたして安倍政権はもつのかどうか。誰の動向を追うべきなのか、非常に参考になった。

『選択』3月号(選択出版)