ニュースななめ読み『選択(選択出版)』『東洋経済(東洋経済新報社)』ほか

雑誌のニュース記事を読んだ感想をつらつらと書いています。

史上最多「期日前投票」何がめでたい『選択』11月号(選択出版)

 投票・選挙の結果が正当性を持つ条件は、投票・選挙を行うことへの利害関係者の合意と、選択肢に関する情報が充分に得られる環境にあるということだそうだ。しかし、今回の選挙は両方の条件を欠如しており民主主義国家としての「常識」を覆したそうだ。
 確かに、今回の選挙は解散から投票までの時間が短かったうえ、野党の状況は日々目まぐるしく変化した。解散当初は「大義なき」解散だという報道が多く、解散後は希望と立憲民主の党を巡る状況ばかりが報じられていたように思う。さらに、投票率も戦後二番目の低水準となったことを踏まえると、選挙の正当性が危ぶまれるのも仕方の無いことだろう。
 投票率期日前投票が増えているとのことだったのが、結局は悪天候もあり低いまま終わってしまった。期日前投票率だけを見れば、政治への関心は高いように思えた。ただ、『選択』11月号(選択出版)によれば、期日前投票有権者が政党や候補者を見極める時間が減ることを意味し、スウェーデンのような「後悔投票」がないため期日前投票後の選挙期間で問題が起きても変更出来ないことが問題だという。
 民主主義とは何か、選挙をしていればいいのか、考え直す必要性を感じた。
 
『選択』11月号(選択出版)
 

ニッポンの老害 相談役・顧問『ダイヤモンド』10/14号(ダイヤモンド社)

 『ダイヤモンド』10月14日号の特集は「ニッポンの老害 相談役・顧問」だった。9月16日号で掲載していた「大学序列」も偏差値の変遷から大学の特色が見えておもしろかったが、今回も具体的なデータが多く企業によって相談役・顧問の扱いがどう異なるか非常に興味深かった。
 特集によると、情報開示されず経営責任も問われない相談役・顧問が口出しすることで起きる「老害経営」の典型例が東芝の凋落だそう。高待遇に欠かせないのが「個室・秘書・社用車」の3点セットで、経歴による待遇の差が「老害」の危険度の差でもあるそうだ。
 特に「老害」になる可能性が高いのは社長・CEO経験者で経営に口を出す人物らしい。一方で、直接経営に関与しない高度な知見や専門性を持つ人物の場合は社内においても社外においても「老益」に変わるという。
 来年1月に東証が報告書内で情報開示が行われる。あくまで任意で社長・CEO経験者に限られるため、どこまで明らかになるかは不明だが、実態がわからなければ老害かどうか深く語るのは難しいように思う。

 

『ダイヤモンド』10/14号(ダイヤモンド社

共同通信「平壌支局」『選択』10月号(選択出版)

 『選択』10月号(選択出版)は選挙と北朝鮮の話が多かったが、中でも「日本のサンクチュアリ」で詳しく報道されていた共同通信平壌支局」が興味深かった。 

 北朝鮮当局の監視下に置かれていると言うことは想像通りだが、その状況が旧ソ連よりも厳しいそうで、記者は常駐しておらず、年間1億円以上かけて維持しているらしい。
 現地に拠点があることが重要だ、という意見もあるようだが、個人的にはいいように利用されているだけだという意見の方が理解できる。
 自由に取材出来ず相手の都合の良い情報だけを流すのであれば、報道機関というよりもただの広報に過ぎない。そんな広報のために、国内法に反し国際社会からの制裁の目をすり抜けて関係を結んでいるとすれば、社内外から批判されるのも当然ではないだろうか。

 閉鎖は噂に過ぎず、今後も支局は運営されるようだが、どうせなら当局が許してくれないことを取材し、日本や世界に伝えて欲しい。


共同通信平壌支局」『選択』10月号(選択出版)

インドの虚像『ニューズウィーク』9月26日号(CCCメディアハウス)

  他誌でもブータンと中国の国境を巡りインドと中国が対峙している、という話があったが、やはりインドの強気な姿勢は間違いないようだ。
 ただ、インドは経済的も軍事的にも中国に大きく離されている。過去にも触れたが、現実には中国が圧倒的に優位な状況にあるらしい。モディ首相は経済発展に力を入れているものの、あくまでも「将来有望」という段階に過ぎないという。『ニューズウィーク』9月26日号(CCCメディアハウス)では、日本企業はその恩恵にあずかれると書いているが、果たしてどこまで期待して良いものか。
 また、中国との対立に関しては、どうやら日本はインドに肩入れする方向性のよう。日中の関係性を考えれば当然の選択肢だが、インドはアメリカを信用しきっていないそうで、「反中国」で軍事的に結束できるかといえば難しいようだ。
 これまで友好的だった北朝鮮に対しても禁輸措置をとるなど、日本にとっては歓迎できる動きもあるようだが、対中国・対北朝鮮を期待するあまり、インドの大きさを読み間違えることは勘弁してもらいたい。

 

ニューズウィーク』9月26日号(CCCメディアハウス)

  

米国は金正恩をどう始末するか『選択』9月号(選択出版)

 食傷気味と書いてから今まで、北朝鮮のミサイル実験のニュースばかりが報道された。多分ではなく確実に、北朝鮮問題は悪化し続けている。

 金正日が死亡し後継者が誰になるか騒いでいた頃、正恩になれば北朝鮮との関係が変わるかもしれない、というニュースが多かったように記憶している。彼はスイスへの留学経験もあり、欧米社会に詳しい。だから、穏便に民主化していくのではないか、と。

 希望的観測は見事に裏切られた。北朝鮮の核開発は止まる気配もなくICBMへ搭載できるようになるまで、残された時間はそう長くはなさそうだ。『選択』9月号(選択出版)によれば、その時間こそが「最も不安定な時期」だという。米国が実力行使に出るのであれば、米本土を直接攻撃出来るという切り札を得る前でなければ意味が無いからだ。

 このまま北朝鮮が核保有国になるか、米国が阻止するか。どちらにせよ、残された時間も手段も限られている。日本にとっても不安な時間はまだしばらく続きそうだ。

 

『選択』9月号(選択出版)

米国民にとっての他国民の生命『ニューズウィーク』8月29日号(CCCメディアハウス)

 北朝鮮のミサイル実験が食傷気味に感じてから久しいが、多分状況は悪化し続けているのだろう。このまま金正恩が好き勝手を続けるのならば、「世界が見たこともないような炎と怒りに直面する」と警告したトランプだが、あの爺さん、果たして本気だろうか。
ニューズウィーク』8月29日号(CCCメディアハウス)の記事に掲載されていた米国民へのアンケートによれば、米国民の半数近くは、2万人の米軍兵士による犠牲を回避するためには、敵国の一般市民200万人の犠牲も厭わないと考えているらしい。一見すると酷い話なようだが、当然のような気もする。
 それよりも、もし米国が北朝鮮を攻撃した場合、東京も安全ではないのは擱くとしても、少なくとも「ソウル火の海」は確定的に明らかであり、その場合、百万人以上の韓国人が犠牲になるとの見方もある。
 米国民にとって、敵国民と同盟国民、自国民の交換レートは、どれくらいなのだろうか。同盟国とは言え所詮は他国、ここのレートは変わらない気もする。

ニューズウィーク』8月29日号(CCCメディアハウス)

Jパワー消滅『選択』8月号(選択出版)

 国家総力戦の時代、電力国家管理の持ち株会社として、日本発送電が作られた。戦後、GHQによって電力九社に解体されたが、各社ともに資金不足で電力供給が不足し、それを補うべく設立されたのが、今日の電源開発(Jパワー)らしい。
 既に経産省東京電力中部電力の燃料・火力事業を完全統合させることになっており、「国策会社」による電力統制が進められている。『選択』8月号(選択出版)によれば、経産省はこの余勢を駆って、さらにJパワーも引っ付けてしまうつもりだとか。
 ただし、一方のJパワーも独自に電力再編を模索しており、状況は流動的だという。いずれにせよ、発電業界に地殻変動が発生するのは間違いないようだ。

『選択』8月号(選択出版)