ニュースななめ読み『選択(選択出版)』『東洋経済(東洋経済新報社)』ほか

雑誌のニュース記事を読んだ感想をつらつらと書いています。

アイリス、同族経営へのこだわり「東洋経済」2/17号(東洋経済新報)

  先週の東洋経済に、アイリスオーヤマの社長インタビュー記事が掲載されていた。今年大山健太郎社長が退き、39歳の長男が後を継ぐという。「なぜ息子を後任に据えるのか」という、ストレートな記事だ。

 大山社長は、「サラリーマンの中から選ばれてきた人は、周りに配慮しすぎて判断に時間を要する。オーナーは株主でもあるので、判断を下すスピードも速い」という。

「三代目」、「世襲」というとどうも世間では叩かれがちだが、「サラリーマン社長」、「誰も何も決められない大企業病」も世にはびこっている。とくに昨今の日本では、後者による弊害の方が大きいのではと、漠然と感じた。

 

東洋経済」2/17号(東洋経済新報)

中国に傾倒する「岩波書店」『選択』2月号(選択出版)

 昨年末、広辞苑で「日本は台湾が中華人民共和国に帰属することを実質的に認めた」との記述に台湾側が抗議、ネット上でも話題になっていた。
 日中共同声明では台湾が人民共和国の一部であることは少なくとも否定はしていないし、むしろ中共とは別個と明記すれば、明確に間違いになるのではないか。台湾と日本国内の右派が騒ぐのはいつものことと思い、さして気に留めなかったが、事はそう単純ではないらしい。
『選択』2月号(選択出版)の記事、「中国に傾倒する「岩波書店」」では、「そもそも岩波書店は、台湾側からの抗議に対して、沈黙することもできたはずだ。しかしわざわざホームページ上で台湾側を刺激する声明を出した。この理由について中国からの圧力を受けた可能性も指摘されている」と、その不自然さを指摘している。
 記事中、「もちろん、岩波が中国当局からの圧力を受けたという客観的なエビデンスはない」との前置きはされているが、岩波書店での中国国内事業や、中国共産党との関係、岩波の主要人物の来歴と頻繁な渡中について、具体的な話が紹介されていた。

 中国の大学で、「歴史認識問題での岩波の態度を絶賛」され、「岩波書店が発行する書籍や、電子版の学術データなどを活用するよう」宣伝してもらっているという話は、どうもきな臭い。昔なら思想的な理由から中国に媚びているようにも見えたろうが、今となってはもっと俗な想像をかきたてられる。
 出版業界といえばドメスティックな業界の代表という印象があったが、岩波書店までチャイナ・マネーの影響を受けていると思えば、どうにも世知辛い

『選択』2月号(選択出版)

いつの間にか隣人は外国人『東洋経済』2/3号(東洋経済新報社)

 今週の『東洋経済』の特集は「隠れ移民大国日本」。なかでも、一番最初の記事に驚くとともに納得した。
 個人的に、外国人観光客が増えたというのはもちろんだが、何よりも気になっていたのはコンビニの店員だった。最近は、都心部のどこのコンビニに行っても店員の大半は外国人。外国人スタッフが悪いというのではないが、とにかく多すぎやしないかと思っていたら、やはり外国人労働者は急激に増えていた。
 記事によると、直近五年で大きく増えたのはベトナム人だという。次いで中国、ネパール。フィリピンが4位、インドネシアが6位だった。中国・フィリピン・インドネシア辺りから労働者が来ているというイメージだったので、ベトナム人が急増しているということに少々驚いた。
 さらに、外国人比率が5%を超えている自治体も40以上あるという。それらの自治体の中の外国人比率や、国籍も従来のイメージ(中国人やブラジル人など)とは異なっていた。日本は移民の受け入れに積極的ではないと思い込んでいたが、すでに世の中は変わっていたらしい。

 

いつの間にか隣人は外国人『東洋経済』2/3号(東洋経済新報社

王政懐古は衛星波に乗って『ニューズウィーク』1月30日号(CCCメディアハウス)

ニューズウィーク』1月30日号(CCCメディアハウス)によると、今イランでは若者を中心に王政の復活を要求する声が高まっているという。年末年始に反政府デモの話があったが、まさか現代で王政懐古とは…。しかも、王政時代を知らない若者が主体だというから驚いた。
 記事によると、若者が影響を受けたのはイラン革命で国を追われた亡命者達による衛星放送が原因らしい。当初は厳しく取り締まっていた政府もすでに諦め、総人口の7割以上が衛星テレビを視聴しているそうだ。
 国営テレビがあまりにもつまらない、といった理由もあるようだが、やはり欧米メディアのコンテンツや、政治色が強すぎない番組などが人気のようで、さりげなく革命以前のイランを賛美する番組を流したりしているのだとか。
 こうしたニュースを目にすると、やはりメディアという存在の影響力を考える。テレビ放送をきっかけに外の世界への憧れがつのり、改革へ―。ネットが普及しても、変わらない部分もあるようだ

 

ニューズウィーク』1月30日号(CCCメディアハウス)

 ロシアの核施設での事故を巡り、またも隠蔽工作があったことが明らかになったという。事故が起きたのは昨年の秋で、欧州では大気中から放射性物質ルテニウム106」が検出され、早い段階からロシア・ウラル地方が流出源だと指摘されていた。

ソ連時代から核関連施設は「閉鎖都市」にあり、外部との接触が難しく、厳しい情報規制が敷かれているという。今回の事故も、ロシア政府は当初は否定していたものの、結局は認めたそうだ。

ニューズウィーク』では、核施設運営を行うロスアトムの秘密主義と隠蔽体質に関して言及し、国内でもその真実の姿を追求することの難しさが書かれていた。

 また、『選択』1月号によると、「全面否定→陰謀説→小出しに真実を認める」というのは、ソ連時代から続く隠蔽工作の典型的な流れなんだそう。しかも、プーチン政権下でさらに秘密主義が進んでいるとか。

 結局、ロシアはソ連時代から変わっていないということか。

 

ロシア放射能汚染の隠蔽は続く『ニューズウィーク』1月23日号(CCCメディアハウス)
ロシアが隠蔽する「ウラルの核事故」『選択』1月号(選択出版)

「国際手配」が口封じの道具に?『ニューズウィーク』1月16日号(CCCメディアハウス)

 インターポールによる「国際手配」が言論弾圧の手段として使われているようだ。『ニューズウィーク』1月16日号(CCCメディアハウス)の記事によると、一部の独裁国家では政権を批判した亡命ジャーナリストを国際手配し、移動を制限しようとしているという。具体的な国としては、アゼルバイジャンやトルコ、ウズベキスタンカザフスタンなどで、その身柄の拘束や本国への送還を狙っているそう。
 インターポール憲章では、政治的な案件には関与せず、表現の自由など基本的人権を尊重することになっている。しかし現実には、一部国家によって制度が悪用されている。
 国際的に犯罪者を手配し、追い詰めること自体は非常に意味のあることだが、手配を申請するのは各国政府だ。外部からの監視の目がなければ、政府にとって都合の悪い人間が政治的理由から亡命しても、再び危害を加えられてしまう。海外に逃げる犯罪者は捕まえるべきだが、その犯罪の内容に関する監査を厳しくし、独裁国家が報道を抑圧する事態は防いで欲しいものだ。

 

ニューズウィーク』1月16日号(CCCメディアハウス)

米軍全体が過労状態『AERA』18年1月15日号(朝日新聞出版)

 新年早々、沖縄では米軍ヘリが不時着するというニュースが続いた。昨年は、以前から危険性が指摘されていたオスプレイに限らず、米軍ヘリの不時着や部品落下などのニュースが相次いでいたし、秋頃には海軍の船の衝突事故も複数起きていた。とにかく、米軍の事故が増えたという印象があった。
『AERA』1月15日号によると、2017年に発生した米軍機の重大事故は24件、損害額は600億円近いという。さらに、過去三年間に戦闘によって死亡した米軍人は44人なのに対し、訓練中には185人も死亡しているとか。
 事故増加の原因として指摘されていたのは、米軍全体が過労状態にあることだった。オバマ政権下で国防費を削減したことで、訓練や人員が減り、整備費用も圧縮された。しかし世界情勢の緊張度は増し、例えば北朝鮮問題を巡っては出動回数が増えている。結果として、兵士や機体への負担が増し、過労状態になっているという。
 トランプ大統領武力行使をちらつかせているが、このような状況で軍事行動を起こしたがるとは…。急いで軍事費を増やした所で、訓練や人員不足はそう簡単には解消しないだろうし、武力行使に出るのは自殺行為だとしか思えない。

『AERA』18年1月15日号(朝日新聞出版)