「一帯一路」は失敗する?『選択』6月号(選択出版)

 先月中旬に北京で開催された「一帯一路」サミットには、プーチン大統領を筆頭に29カ国の首脳と、約130カ国の代表団が参加したという。国際機関級、世界規模の巨大事業に、さぞかし中国人は気分がいいだろうと思う。
 浙江省工業都市義烏から、新疆、カザフ、ロシアを経て東欧へ入り、欧州を横断して果てはマドリード、ロンドンへ到る、まさに欧亜を貫通する貨物列車、「中欧班車」の運行回数は、のべ3,000回を超えるらしい。実に豪気な話だが、必ずしも評判は良くないようだ。
『選択』6月号(選択出版)によれば、貨物列車は船便よりも割高、急ぎのものは航空便を利用するため、無理やり列車便を使わされるのは、迷惑だとの声が上がっているという。沿線国への投資も、国策の下に国有企業が採算度外視で突っ込む形で、リスクが大きいとか。
 人類史上初の規模の世界的公共事業を、中国が負担する、というようにも見え、確かに前途がバラ色とは言いにくそうだ。しかし、やはりなんといっても気宇壮大な一大事業、ワクワク感はある。率直に言って、うらやましい。これからも注目したい。

 

『選択』6月号(選択出版)

「共謀罪」と共産党『AREA』7/3号(朝日新聞出版)

共謀罪」法がスピード施行、政党まで狙い撃ちに?

「すでに監視されている」
 と、いうような扇情的なタイトルの記事が『AREA』7/3号(朝日新聞出版)に掲載されていたので、共産党の話かと思って読んでみると、やはり共産党だった。「すでに監視されている」もなにも、敗戦後すぐの数年間を除いて、常に監視されている。
 民進党にまで監視対象が広がる、というのなら「これは酷い」と思うが、今更共産党を持って来られても、「知っている」というだけで、危機を感じないのは私だけだろうか。むしろ、ここで共産党が登場したことで、いつもの「なんでも反対」かという印象を受ける。「盗聴法」のときも同じような流れだった気がする。
 あと、戦前の武装共産党時代や占領下期の徳田球一時代など、ちゃんと「暴力革命」の実績はあるため、もし公安当局が監視していなかったとすれば、怠慢のそしりは免れないと思う。
 小池晃代議士は破防法適用事例がないのを誇っているが、オウム真理教にも適用できなかったのを見るに、適用されるのは相当難しいのではないか。

共謀罪」と共産党『AREA』7/3号(朝日新聞出版)

あまりにもドン臭い「電子マネー」論議『週刊ダイヤモンド』6/24号(ダイヤモンド社)『選択』6月号(選択出版)

週刊ダイヤモンド』6/24号(ダイヤモンド社)によれば、米国クレジットカード大手のVISAが、VISAブランドのクレジットカードに、VISAの電子マネーを搭載するよう、求めているらしい。
 対する国内勢は、イオン、セブンなどが相互乗り入れや器機の共有化について、水面下で日本連合を模索、これを迎え撃たんとしているとか。
『選択』6月号(選択出版)によれば、中国ではアリババの電子決済アプリ「支付宝」が爆発的に普及、読み取り端末不用なことから「使えない店を見つける方が難しい」状況で、キャッシュカードは「時代遅れの恐竜」扱い、銀行支店が次々と閉鎖されているという。
 なんと言おうか、既に石油燃料機関への置き換えが始まっているのに、石炭燃料機関の規格を一生懸命争っているようで、滑稽この上ない。ビザは「東京五輪までにペイウェーブを日本で普及させたい」そうだが、その頃にはまとめて絶滅しているのではないか。

 

週刊ダイヤモンド』6/24号(ダイヤモンド社

『選択』6月号(選択出版)

「琉球新報」「沖縄タイムス」の本性『選択』6月号(選択出版)

『選択』6月号(選択出版)に、沖縄県の地方紙である「琉球新報」「沖縄タイムス」についての記事があった。

 沖縄二紙といえば、自民党若手議員勉強会で百田尚樹氏が「つぶれてほしいと思っているのは事実」「反基地、反安保という自らの政治的メッセージばかりを沖縄の人に押し付け、中国べったりの左翼機関紙」とボロクソかつ暴論を説いて炎上していたのを見て、中日新聞のような、リベラル論調の新聞なのだろうと想像していた。
 記事を機会にネットで調べてみると、『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』(朝日新聞出版)というそのものズバリな名の本についての、紹介記事が見つかった。 「「琉球新報」「沖縄タイムス」は「偏向」しているのか? ヘイトと闘ってきたジャーナリストが見た沖縄基地問題とメディア」(LITERA)。記事タイトルに使用される語彙からして、想像以上に「色」がついているように見受けられるが、それはいいだろう。以下引用。
 ネットなどには沖縄タイムスに対して「偏向報道」という書き込みもある。権力側の思いを代弁し、権力側にすり寄る記事こそ偏向報道だと言いたい。そんなメディアに絶対に落ちぶれないと、あらためて思いを強くした。
 引用終わり。立派な見識であると思うが、『選択』6月号(選択出版)の記事を読むと、少し印象が変わってくる。以下引用。
 辺野古移設反対を掲げる翁長雄志知事の言動は「揺るがぬ知事 会場熱気」「民意代弁 やまぬ喝采」と礼賛してやまない。辺野古埋め立て承認を取り消せば「待望の日 歓喜に沸く」。翁長氏は沖縄の最高権力者で多様な県政の課題を抱える。これでは権力の監視どころか、核やミサイルを開発するどこかの独裁体制と同じだ。
 以上引用。他にも、防衛局職員への傷害容疑で逮捕された山城博治議長を英雄視し、奪還論陣を張ったと書かれていたが、記事を検索してみると、「不当弾圧「屈せぬ」山城議長、怒りあらわ 「正当な抗議」信念貫く」と、まるで新左翼の機関紙じみている。
 ここまでなら「論調が偏っている」で済む話であり、どのような論調を発信しようがわが国では究極的に「自由」なのだが、「米軍憎し」から誤報を連発、その原因は「『平和』を掲げる反米の市民団体と結託して、彼らから根拠不明の情報を入手しているからだ」というのは、話が変わってくる。まるでではなく、機関紙そのものではないか。
 ほかにも、取材と「闘争」を混同していたり、抗議行動への異論封殺を是としたりといった事例が、出るわ出るわ、てんこもりに描かれている。
 こういった扇動的な、報道というよりも「世論戦」は、一体なにを目的としているのだろうか。沖縄二紙は到底「社会の公器」と呼ぶに足りないだろう。
 
『選択』6月号(選択出版)
琉球新報」「沖縄タイムス」は「偏向」しているのか? ヘイトと闘ってきたジャーナリストが見た沖縄基地問題とメディア
http://lite-ra.com/2016/09/post-2575.html
沖縄タイムスプラス2017年3月18日
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/89121

巨人軍崩壊『週刊ポスト』6月23日号(小学館)

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
 この記事でも冒頭に引用されている野村克也氏の言だが、何度見ても違和感を覚えないほどの名言なのは間違いないものの、今回の巨人低迷関連記事だけでも聊か使われ過ぎている感はある。
 しかし、そこから高橋由伸監督による「言葉の無策」を指摘しているのには、「なるほど」と思った。毎日毎日「なかなかうまくいかない」といった、誰もが見ればわかる程度のコメントしか出ないのはつまらない。球団関係者(水道橋駅前の酔っ払いかもしれないが)は、「この連敗記録は“ネグレクト”が生んだものです」という。なるほど、極端な例を思い浮かべれば、横浜DeNAベイスターズがまがりなりにも戦える球団になったのは、バカのように明るい中畑前監督の発信力によるところが大きいだろう。
 さらには、選手起用方針の迷走、コーチらの越権行為など、崩壊した組織の典型のような話が並ぶが、そもそも戦力が整備できていないのではないか。30億円も補強に費やしておいて噴飯ものだが、連敗が始まる前から、オーダー表を見て「何を楽しみに試合を見るのだろうか」と不思議に思っていた。「三番松井、四番清原、五番高橋由伸」のような「プレミアム感」もなければ、若手の和製大砲に期待するでもない。阪神暗黒時代末期の「三番浜中、四番桧山、五番広澤」のほうが、まだ若手が入っていただけマシなのではないか。 
「スコット鉄太郎」の例外時期があったものの、伝統的に中継ぎが強いチームではないが、それにしても今年はひどい。平気で3日前に先発してKOされた投手が5回から出てきたりする。マシンガン打線あらため「マシンガン継投」と揶揄されていたベイスターズもかくやという崩壊ぶりは、先発、打線、すべてのかみ合わせをダメにする。
 連敗は13で止まったものの、交流戦での勝率は1割にも満たず、史上最低記録更新が現実味を帯びている。最下位になっても、松井秀喜氏が監督を受けない限り、阿部が引退するまで高橋監督が続投するのだろうか。今回の低迷は、堀内巨人よりも長引きそうだ。

 

巨人軍崩壊『週刊ポスト』6月23日号(小学館

「ニコン救済」富士フイルムが浮上『選択』6月号(選択出版)

『選択』4月号(選択出版)で「買収されるか『東芝』になるか」と書かれていたニコンだが、『選択』6月号(選択出版)によれば、「中国や韓国、台湾企業に代われるよりは」と、三菱東京UFJ経産省が仲立ちになり、富士フイルムにひっつけようとしているらしい。

「フィルム屋がデジカメ屋を救う」という構図が面白いのもさることながら、ここ20年の栄枯盛衰に、改めて驚いた。富士フイルムといえば、最近「写ルンです」が密かなブームらしいが、そういえばあれも銀塩カメラ時代末期の製品だ。「銀塩カメラ→使い捨てカメラ→デジカメ→スマホカメラ」の変遷を、30年間で駆け抜けたことになる。

 もし仮に富士フイルムニコンを買収したら、ミラーレス一眼はそもそも規格が違うし、カメラ部門は別ブランドのまま、とくに何も変わらないのだろうかと、ボンヤリ考えてみた。

 しかし現実には、もし経営統合がなされたとしても主眼は、少なくともカメラ売場に並ぶようなものではないのだろう。

 

『選択』6月号(選択出版)

中国のアルミ生産過剰と日本について『ニューズウィーク』5/30号(CCCメディアハウス)ほか


 中国の鉄鋼過剰生産はよく報じられるところだが、『ニューズウィーク』5/30号(CCCメディアハウス)の記事に拠れば、アルミもご多分に漏れず大分余らせているらしい。なんでも、世界の生産量の5割近くを占め、アメリカのアルミ精錬業が壊滅寸前の状態なのだとか。
『選択』5月号(選択出版)では中国の余剰穀物について、トウモロコシ・コメともに世界の年間貿易量の2倍を積み上げており、この在庫処分がなされた暁には穀物相場大暴落は必至と書かれていた。
 毛沢東時代の「三面紅旗」では、鉄鋼生産量を伸ばすために、そこらの鍋釜ハサミ、とにかく鉄製品を片っ端から庭先の溶鉱炉にぶち込んで鉄屑を作ったり、苗を密集させて植えた結果、ロクに育たず大飢饉を発生させたりしていた国だが、いざまともに生産できるようになったらなったで、どうしてこうも極端なのか。世の中うまくいかない。
 いまや、戦闘機の製造に使用される高純度アルミを生産している工場は、米国内に一カ所のみにまで追い込まれており、国防上極めて危険な状態にあるらしい。
 その後に、アルミ精錬には大量の電力を必要とするとの話が続いていて、「そういえば、日本も戦前から軍需用にアルミを精錬していて、電力は大きな課題だったな」と思いだした。たしか信越地方で精錬していたと思う。
 記事の中にも、中国政府がアルミ産業に不当な補助金を提供しているとして、米国がWTOに提訴、「ロシア、カナダ、日本、EUなど他のアルミ生産国も協議参加を希望」しているとある。
 早速調べてみると、日本のアルミ精錬はオイルショックの頃に競争力を失い、3年前の2014年の日本軽金属蒲原工場の閉鎖を以て、その歴史に終止符が打たれてしまったらしい。ただ、アルミの地金は100%輸入だが、加工は日本でもやっているらしいので、「生産国」には違いないようだ。
 すると、米国が心配しているように、重要戦略物資を中国に依存する構造になっているのかと思いきや、日本アルミニウム協会のHPによれば、主要な輸入先はオーストラリア、ロシア、ブラジル、ニュージーランド南アフリカとなっている。
 安全保障上の配慮だろうか。少し安心した。

ニューズウィーク』5/30号(CCCメディアハウス)
『選択』5月号(選択出版)
一般社団法人 日本アルミニウム協会ホームページ」
日本のアルミ産業(構造・原料輸入)
https://www.aluminum.or.jp/basic/japanindustry.html