ニュースななめ読み『選択(選択出版)』『東洋経済(東洋経済新報社)』ほか

雑誌のニュース記事を読んだ感想をつらつらと書いています。

安田純平さん救出、安倍政権の冷酷

甘ったれな国民性の割に、「自己責任」という言葉が好きな日本人である。 3年以上前に、戦地シリアへ取材に行って消息を絶った、ジャーナリストの安田純平さんについて、7月に本人とみられる映像がメディアで繰り返し流された。 だが、日本政府がそれ以前…

「日本人が知らない国際情勢」の薄さ

とにかく雑誌がつまらない。 お盆休み合併号だからだろうか。終戦記念日またぎの週だからだろうか。 ありきたりの企画ばかりで、作り置き感がにじんでいる。 中でも酷いと思ったのが、ニューズウィーク夏季合併号。 www.newsweekjapan.jpモーリー・ロバート…

雑誌の「高校特集」に思う

雑誌が繰り返し、「高校特集」を掲載する理由は簡単だろう。 卒業生や在校生の父母、我が子を進学させたい親たちが確実に買ってくれるから。 中身に新味がなくとも、そこそこ売れて稼げるからだろう。 「週刊東洋経済」のお盆休み号は「ザ・名門高校」と、ま…

銃社会・米国を悩ますもう一つの恐怖

ある夜、隣で寝ていた夫が、突如として妻にピストルを向ける。 「お前は何者だ?」といいながら。 『選択』8月号に、背筋が寒くなる記事が出ていた。 認知症患者が「銃保有」する米国 | 【公式】三万人のための総合情報誌『選択』- 選択出版 日本では認知症…

伊藤忠「カリスマ経営者」に陰り?

また談合だ。 digital.asahi.comまた、というのは伊藤忠商事のことである。 今年の1月に、JR東日本と西日本の制服でも、公正取引委員会から談合と認定されている。もはや常習犯、と言われても仕方があるまい。 伊藤忠といえば、関西弁と強烈な個性が印象…

元気出していけるのか?エーザイ

『週刊東洋経済』の「核心を聞く」というインタビュー記事に驚いた。 store.toyokeizai.net 「仏で認知症薬が保険適用外 『有用性に乏しい』の評価」という、全くセンスのないタイトルなのだが、中身は読むに値する。 「フランス保健省はアルツハイマー型認…

メディアが創作する「星野リゾート」という虚像

インタビューとは、相手の言い分を丸々承る仕事ではない。 少なくとも、ジャーナリズムの世界では、そうであったはずだ。だが今や、緊張感と火花が飛び散るようなインタビューができる「聞き手」は、本当に少なくなった。大手メディアの宮仕えの記者たちでは…

フランスの夢と現実

7月31日号の「ニューズウィーク日本版」の表紙を見て、がっかり。 「世界貿易戦争」と大書きしているのだが、週刊誌にしては遅すぎるし、タイトルとして平凡すぎる。CCCに買収されてから、すっかり元気がなくなってきた同誌を象徴する企画力の低下ぶり…

5大商社の給与と人 徹底比較(AERA7月23日号)

商社のぼろ儲けが続いているそうな。 各社が最高益を叩きだす景気の良さ。ゆえに、ジリ貧メディアはヨイショ記事を連発するのだろう。 AERAもか、という感じだ。 publications.asahi.com 徹底比較というほどの中身はない。 給与は、1位の三菱商事から5…

政治部長三人が斬る安倍政権の功罪(文藝春秋8月号)

寒気をもよおすほど、俗悪な記事である。 bunshun.jp 題記のタイトルで、毎日新聞、東京新聞、時事通信の3社の政治部長が、安倍政権について語る鼎談。 斬るといいながら、ネトウヨ並みのヨイショをする時事の藤野清光部長は、冒頭から酷い。 「『地球儀を…

奈落に落ちた「麻原彰晃」(「週刊新潮」7月19日号)

あの日も、そぼ降る雨だった。 オウム真理教の教祖だった麻原彰晃が死刑に処された7月6日の空を見上げて、思い出したのは、彼がシャバで過ごした最後の日、1995年5月16日のことだ。 山梨県の上九一色村の教団施設で逮捕され連行される麻原を乗せた…

大阪地震で増す「活断層」への誤解(『選択』7月号)

記録的、という言葉では足りないような気さえする。 西日本にこれでもかと降り注いだ大雨は、水害の恐ろしさを今年も見せつけた。毎年のように繰り返す記録的な豪雨は、これからも続くのだろう。それが地球温暖化の影響なのかどうかは、誰にも分かるまい。気…

「世界が怒る犬肉祭りの実態」(『ニューズウィーク』7月10日号)

すさまじい、の一語に尽きる。 中国は広西チワン族自治区の玉林市で、毎年、夏至の頃に開催される「犬肉祭り」。ニューズウィークの記事は、痛ましい写真とともに、残酷な実態を詳しくリポートしている。 www.newsweekjapan.jp 記事によると、「中国は世界一…

「食べてはいけない国産食品」で反撃の週刊新潮

やられたら、やりかえす。 先日、当ブログで紹介した「食べてはいけない『国産食品』実名リスト」を巡る週刊新潮と週刊文春の小突きあい。7月12日号では、新潮の方が案の定、やり返した。 www.shinchosha.co.jp 先週号で「食べてはいけない」シリーズをコ…

三菱マテリアル「驕慢企業の末路」(『選択』7月号)

築城10年、落城1日。 名門財閥の一員が長きにわたって磨き上げた金看板も、泥をぶっかけてしまえば瞬時に輝きを失ってしまう。 三菱マテリアルの品質不正を巡る一連の対応は、名門の誉れに胡坐をかいた経営者たちの愚かな姿を世人にさらした。『選択』7…

「朝日は最下位」(週刊ポスト7月13日号)

読んで、唖然としてしまった。 headlines.yahoo.co.jp 世に「朝日ダメダメ論、亡国論」は数多あるが、そのほとんどがバイアスの掛かった感情論であり、読むに値しない。しかし「英調査」となると、客観性がありそうだ。 そう思い込んで読み始めたら、すぐに…

「90歳からどう生きるか」(『文藝春秋』7月号)

前回に続いて、雑誌の「健康テーマ偏重」について。 『文藝春秋』を開くと、うんざりする。雑誌の後半は老人話ばっかり。介護やら認知症やらの記事が延々続くのだ。「若者は読まんでよろしい」ということなんだろうが、それにしても高齢者の関心に偏りすぎで…

「週刊文春」が「週刊新潮」を妨害?

最近、「週刊新潮」が売れているらしい。 原動力は「食べてはいけない『国産食品』実名リスト」だという。今の週刊総合誌を支えるのは高齢男性読者。その関心は、自然と健康へ向けられる。どの週刊誌も健康特集ばかりになるのは、そのせいだ。それが、若者や…

羽田空港国際線ターミナルの天井が危ない

今の日本でも「正直な会社」が、まだあった。 月刊誌『選択』6月号に掲載された「羽田空港国際線ターミナル -天井施工で重大な『手抜き工事』」では、タイトルのとおり、日本の空の玄関口で起きた杜撰な天井工事の詳細が描かれている。 要約すると、巨大な…

予防医療が後進国並みの日本

島国だからだろうか。 日本人は、公衆衛生とか防疫という意識が極めて低いと思う。「選択」(選択出版)6月号の「後進国並みの『予防接種行政』ー防げる感染症に冒される日本人」という記事を読んで、また1つため息をついた。 イマドキの先進国で麻疹(は…

「日大の暗黒王」田中栄壽(「FACTA」7月号)

ジャーナリズムとは、そもそも危険な商売なのだな。 日本でもこんなことがあるのか、と記事に引き込まれたのが、月刊誌「ファクタ」7月号の日本大学追求記事だ。 「日大の暗黒王」田中英壽:FACTA ONLINE 記事によると、2014年10月、同誌編集部に脅迫…

小池百合子「虚飾の履歴書」(文藝春秋7月号)

最近ではダントツで面白い調査報道記事であった。 「小池百合子さんはカイロ大学を卒業していません」と元同居女性が証言 | 文春オンライン 小池百合子の学歴が「カイロ大学首席卒業」なのかどうか。この疑惑を追及する雑誌記事などは、今までにも数多あった…

眉唾記事?「最優秀社長」(週刊ダイヤモンド6/23)

投資家必見と銘打たれた「最優秀社長」のランキングが、週刊ダイヤモンドで発表された。 この雑誌によると、1位は伊藤忠商事の岡藤正弘会長(今はもう社長ではない)だそうだ。記事では、「決算情報では分からない真の実力値」とあるが、なんだそりゃ、と思…

製薬会社サバイバル(『週刊東洋経済』6月16日号)

なにやら製薬会社が大変らしい。 人口減少と薬価値下げ。このダブルパンチで、ドメスティックに稼いでいた製薬業界は、軒並み経営のピンチを迎えつつあるようだ。 『週刊東洋経済』の大特集「製薬大再編」は、そんな業界の苦境ぶりをあれこれ書いている。中…

NHKが「安倍ベッタリ路線」と決別?

日本相撲協会の評議員会議長に、海老沢勝二氏が就任するという。いわずと知れた元NHK会長、「エビジョンイル」と呼ばれた男だ。 「みなさまのNHK」で権力の中枢を占めているのは、海老沢氏のような、報道局政治部出身者だといわれる。それが最近、「報…

正しい先読み「米朝会談 失敗の歴史」

6月12日の米朝会談前に発行された雑誌として、『ニューズウィーク』の特集「米朝会談 失敗の歴史」が、なかなか読みごたえがあった。 トップは、東京新聞論説委員の五味洋治氏の記事。「不信と裏切りの米朝交渉30年史」というタイトルだが、これこそト…

企業研究 文藝春秋 『選択』6月号(選択出版)

サブタイトルに「名門出版社の俗悪すぎる『お家騒動』」とあるから、おだやかではない。 文藝春秋といえば、かの「文春砲」で数多の有名人、政治家のスキャンダルを暴いてきた出版社だ。それがブーメランのごとく、自らにも返ってきたというのか。 『選択』…

「アイドル」金正恩

最近、金正恩委員長の露出が多い。3月末の北京電撃訪問が外交デビューだったが、それまで引きこもっていたのがウソのようだ。 4月に北朝鮮国内で中国人観光客を乗せたバス事故が発生、金正恩委員長は負傷した中国人を自ら見舞ったばかりか、帰国する彼らを平…

「イラン核合意破棄」って何だ?

今月、トランプ米大統領がイラン核合意からの離脱を宣言した。イランが核兵器の開発を再開したわけでもなく、さらに一方で北朝鮮とは非核化交渉をしているわけで、どうも何がしたいのかがよくわからない。 中東に積極介入して「強い米国」をアピールしたいわ…

パソナの利権「企業主導型保育園」『選択』5月号(選択出版)

『選択』5月号(選択出版)によると、竹中平蔵が企業主導型保育園事業を食い物にしているらしい。助成金も運営経費も、パソナが見事に吸い上げる設計になっているという。竹中といえば、小泉内閣による「規制緩和」に深く関わり、いまも政府の産業競争力会議…