ニュースななめ読み『選択(選択出版)』『東洋経済(東洋経済新報社)』ほか

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生き残りをかけた北朝鮮のロジック『ニューズウィーク』5/16号(CCCメディアハウス)

 近年はそこそこの経済成長をしているものの、依然としてやはり貧困国には違いない北朝鮮については、「何故中国のように改革開放しないのか」との疑問がつきまとう。中国の新聞論説文や、シンクタンクのレポートを見ても、北朝鮮の経済政策への評価は「教条主義的」、甚だしくは「無能」との字句が並ぶ。中国との国境付近の住民は、夜、煌々と光を放つ鴨緑江の対岸を見て、何を思うのだろうか。

ニューズウィーク』5/16号(CCCメディアハウス)に、金日成総合大学への留学経験もあるロシア出身の北朝鮮専門家、アンドレイ・ランコフ氏による「生き残りを賭けた金正恩のロジック」との記事が掲載されていた。

 それによれば、北朝鮮の経済改革にとって最大の障壁は、韓国との圧倒的な所得格差であるという。「安価な労働力を提供すればいいのでは」と思いつつ読み進めると、どうやら問題は、信じがたいほど豊かで、政治的にも自由な韓国の人々の暮らしぶりが知られることにあるようだ。

「人々はあらゆる問題を一夜で解決する方法として、韓国主導での南北統一を求めるだろう」

 なるほど。確かに、朝鮮労働党にやらせておくよりも、大韓民国の国民になった方が話は早い。非常に当たり前の結論である、何故気づかなかった。ランコフ氏は、中国の場合、台湾は小さすぎて体制転覆の脅威にならず、その点恵まれていたと指摘する。

 しかし、経済改革が今のように漸進的にしか進められていない原因が、かくも当然の理由によるのならば、それこそ北朝鮮の経済が成長することは、可能なのだろうか。

 トランプ大統領は、核兵器とミサイルの開発を放棄すれば、金正恩委員長をワシントンへ迎え、北朝鮮と共存の道を選ぶ用意がある旨、中国を通じて伝えたらしい。

 中国としては、経済援助や国交正常化などの前向きな提案も北朝鮮に伝えるよう、アメリカへ働きかけているらしい。

経済改革が進まない理由を考えると、もし米朝国交正常化が実現したとしても、どうやら北朝鮮に漢江の奇跡ならぬ「大同江の奇跡」はなさそうだ。

 

ニューズウィーク』5/16号(CCCメディアハウス)