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国立大学「地元就職率向上」ノルマ『週刊ダイヤモンド』5/20号(ダイヤモンド社

 大学改革と言えば、文系学部不要論だの、益体もない話ばかり出てくるイメージがある。『週刊ダイヤモンド』5/20号(ダイヤモンド社)によれば、昨年度から既に国立大学には「地元就職率向上」がノルマとして国から課されているらしい。記事の冒頭、「ああばかばかしい」という地方国立大学教員の声が紹介されているが、読み進めていくにつれ、「やはりアホ臭いことをしているのだな」と感心した。
 いくらアホ臭くても、運営費交付金の額に関わってくるのだから、就職支援課はアホ臭いことに真面目に取り組まざるを得ない。その結果、学生からは「地元就職希望だと手厚くサポートしてくれたのに、都市部希望に切り替えたら、途端に対応が悪くなった」との声が上がっているようだ。気の毒な話である。
「地方創生」の掛け声のもと、都会の若者を田舎へ送るのは毛沢東でもあるまいし無理として、地方からは極力外へ出さない方向で努力せよ、こういうことだろう。
 中国ですら農業戸籍廃止に向けて動いているこのご時世に、ナンセンス極まる。
 ただでさえ地方の大学生は、就職活動の負担が大きい。東京に本社がある大企業の説明会や面接は、さすがに大阪ではやるとしても、札幌や福岡で開催するのは少数派らしい。説明会に出るための交通費、宿泊費などだけでも、馬鹿にならない負担だ。
 これにもまして、大学の就職課が都市部就職希望の学生を冷遇するとなれば、要は「地方の大学に入ると就活が大変」という現状に拍車がかかる。
 実際、私が高校生の頃にも、「難地方国立よりは大都市の私大に行け、でないと就活で死ぬ」と言われていた。
 結果として、地方国立の人気がどんどん下がるだけなのではないか。
 

国立大学改革の評価指標
「地元就職向上」に現場の不満
週刊ダイヤモンド』5/20号(ダイヤモンド社