ニュースななめ読み『選択(選択出版)』『東洋経済(東洋経済新報社)』ほか

雑誌のニュース記事を読んだ感想をつらつらと書いています。

中国のアルミ生産過剰と日本について『ニューズウィーク』5/30号(CCCメディアハウス)ほか


 中国の鉄鋼過剰生産はよく報じられるところだが、『ニューズウィーク』5/30号(CCCメディアハウス)の記事に拠れば、アルミもご多分に漏れず大分余らせているらしい。なんでも、世界の生産量の5割近くを占め、アメリカのアルミ精錬業が壊滅寸前の状態なのだとか。
『選択』5月号(選択出版)では中国の余剰穀物について、トウモロコシ・コメともに世界の年間貿易量の2倍を積み上げており、この在庫処分がなされた暁には穀物相場大暴落は必至と書かれていた。
 毛沢東時代の「三面紅旗」では、鉄鋼生産量を伸ばすために、そこらの鍋釜ハサミ、とにかく鉄製品を片っ端から庭先の溶鉱炉にぶち込んで鉄屑を作ったり、苗を密集させて植えた結果、ロクに育たず大飢饉を発生させたりしていた国だが、いざまともに生産できるようになったらなったで、どうしてこうも極端なのか。世の中うまくいかない。
 いまや、戦闘機の製造に使用される高純度アルミを生産している工場は、米国内に一カ所のみにまで追い込まれており、国防上極めて危険な状態にあるらしい。
 その後に、アルミ精錬には大量の電力を必要とするとの話が続いていて、「そういえば、日本も戦前から軍需用にアルミを精錬していて、電力は大きな課題だったな」と思いだした。たしか信越地方で精錬していたと思う。
 記事の中にも、中国政府がアルミ産業に不当な補助金を提供しているとして、米国がWTOに提訴、「ロシア、カナダ、日本、EUなど他のアルミ生産国も協議参加を希望」しているとある。
 早速調べてみると、日本のアルミ精錬はオイルショックの頃に競争力を失い、3年前の2014年の日本軽金属蒲原工場の閉鎖を以て、その歴史に終止符が打たれてしまったらしい。ただ、アルミの地金は100%輸入だが、加工は日本でもやっているらしいので、「生産国」には違いないようだ。
 すると、米国が心配しているように、重要戦略物資を中国に依存する構造になっているのかと思いきや、日本アルミニウム協会のHPによれば、主要な輸入先はオーストラリア、ロシア、ブラジル、ニュージーランド南アフリカとなっている。
 安全保障上の配慮だろうか。少し安心した。

ニューズウィーク』5/30号(CCCメディアハウス)
『選択』5月号(選択出版)
一般社団法人 日本アルミニウム協会ホームページ」
日本のアルミ産業(構造・原料輸入)
https://www.aluminum.or.jp/basic/japanindustry.html