ニュースななめ読み『選択(選択出版)』『東洋経済(東洋経済新報社)』ほか

雑誌のニュース記事を読んだ感想をつらつらと書いています。

「朝日は最下位」(週刊ポスト7月13日号)

読んで、唖然としてしまった。

headlines.yahoo.co.jp

世に「朝日ダメダメ論、亡国論」は数多あるが、そのほとんどがバイアスの掛かった感情論であり、読むに値しない。しかし「英調査」となると、客観性がありそうだ。

そう思い込んで読み始めたら、すぐに「?」マークが次々頭に浮かぶ。

英国オックスフォード大学ロイター・ジャーナリズム研究所が発表した調査リポートだというのだが、「日本部門の調査の解説を担当した澤康臣・共同通信記者」の分析は、随分と低次元ではないか。

 

〈近年、リベラルな高級紙(朝日)は保守派の与党・自民党と右寄りメディアの両方からの批判にさらされてきた。安倍晋三首相は朝日の誤報問題(森友学園報道の検証記事)に対してフェイスブックに『哀れですね。朝日らしい惨めな言い訳。予想通りでした』と書き込んだ。また、保守系議員の足立康史氏は、『朝日新聞は万死に値する』とツイートし、右寄りの雑誌は『朝日を廃刊に追い込む必要がある』といった見出しを掲げている〉〈さらなる分析から、朝日の信頼度が低いのは、部分的に、こうした右派からの声高で党派的な批判から来る高いレベルの不信の結果だとわかっている〉

 

これは分析と呼べるものなのか?権力監視をしている朝日に対し、政権与党とその応援団である右寄りメディア、具体的には『Will』とか「Hanada」などだろうが、それらから批判を浴びた。朝日を蛇蝎のごとく嫌う議員からは暴言も吐かれた。これらの批判は、「高いレベルの不信の結果」なのだ、と。

だから朝日は、産経よりも信用できない――、頭がどうかしているのではなかろうか。

 

新聞の信頼度は、1にも2にも、記事の正確さによって決まるもの。立場を異にする側から批判があろうとなかろうと、信頼には関係ない。朝日にも大きな誤報はあるが、産経も読売も負けず劣らずだ。

産経新聞の誤報を受け、配信のYahoo!が異例の謝罪

日経は企業情報に関して、広報の意を汲んだミスリードを日常的にやっているではないか。

記事中に出てくる朝日OBも、的外れな批判をしている。朝日が信頼されないのは「間違った報道を誤報と認めて謝るのが遅すぎるから」と語っているが、おいおい、朝日は毎日のように社会面の訂正・謝罪欄でなにがしか謝っているではないか。かなりスピーディーにぺこぺこ謝っている印象すらある。

 

記事はさらに、朝日が森友・加計問題でスクープを連発しても、安倍政権は権力の座についたままだ、ゆえに朝日の影響力はなく、国民に信頼されていない、とこき下ろしている。

ではうかがうが、「安倍総理、もうあなたは終わった」などの政権批判を連発しながら、世論を微動だにもさせられなかった『週刊ポスト』さんは一体何なんだ?自分の無力を棚に上げて、売れそうだからと朝日批判、これこそもっとも国民から信頼されない報道姿勢ではあるまいか?

 

雑誌ジャーナリズムの質や矜持はここまで落ちたのか、と現実を見せつけられた記事であった。